まさに『神の領域』- KREVAニューアルバム『嘘と煩悩』感想
今回はfripSideの楽曲ではなく、僕自身がfripSideと同じく応援しているHIP-HOPアーティストのKREVAのニューアルバム『嘘と煩悩』の感想を書いていきたいと思います。
普段fripSideを聴いてる方には馴染みがないかもしれませんが、
初めて聴いていただく方にもお勧めできるアルバムになってますのでぜひ!
KREVA official Web
嘘と煩悩 というセルフタイトルに込められた想い
今回のアルバムタイトルは「嘘と煩悩」となっています。
「新人クレバ」や「よろしくお願いします」など、
アルバムタイトルに遊びや想いを込めた言葉選びをするKREVAですが、
今回の嘘と煩悩にはどういった理由があるのでしょうか?
KREVAは自らのことをDr.Kであったり、DJ 908と名乗ったりしています。
「908(キューゼロハチ)」「クレバ」と読むことはファンの中では一般化しています。
そして、今回のタイトルに注目して見ましょう。
嘘とは嘘八百という言葉があり、数字の800が含まれています。
次に、煩悩には百八の煩悩という言葉があります。数字は108です。
この二つに関連する数字を足すと・・・もうおわかりですね。
『908』KREVAになります。
このアルバムタイトルが発表された時からTwitterなどでこの話題があり、
今回のアルバムは嘘と煩悩と銘打ったセルフタイトルアルバムなのだなと思いました。
様々な角度からKREVAを表現していく至極の10曲
今回のアルバムは表題の「嘘と煩悩」を含む10曲にボーナストラック1曲という構成になっています。
すでに908FESなどで披露された「神の領域」や「居場所」も含まれているため、
新曲として耳に入ってくる楽曲は少ないのですが、
全体的に曲の展開が幅広い構成になっていて、
少ない曲数でも十分に聞き応えのあるアルバムになっています。
今回、KREVAはレーベルの移籍などもあり新しい環境でのアルバムになりました。
そして、去年一年はライブも少なく、ファンと関わる機会という面で物足りないような年になってしまったように思います。
そんな中でこのアルバムにはそんなファンに向けた言葉であったり、
これからの自分のスタンスを表明するような言葉に溢れている印象を受けました。
HIP HOPはアングラな不良が、マジリスペクトと感謝だぜイエーと言う、
みたいなイメージが強いのですが、
KREVAは音楽としてそのHIP HOPのイメージを伝わる形でうまく表現していると思います。
特に「神の領域」では、自分のスキルは神の領域に到達していると、
自分の力を見せつける自己表現意欲に満ちた楽曲なのですが、
単純に「俺すごいだろ!」と言うだけでなく、
長年のキャリアで育んだスキルのラップで勝負していて、
聴きやすい韻に富んだリリックになっています。
KREVAの俺様感をそしてそこに隠れた不安をストレートに感じれる楽曲です。
その次の「居場所」では打って変わって、
優しさに満ちた歌声で語りかけるように歌い上げています。
そのあとも様々な角度からKREVAを切り取るような、多種多様なサウンドの楽曲が飛び出してきます。
このように一面だけでの思い込みや評価をはねのけるような、多様性に富んだアルバムになっています。
HOP HOPはよくわかんないや、っと言う固定観念を壊せる。
そんなアルバムになっていると感じました。
もちろん、今までHIP HOPを聞いてきた人にも満足できる楽曲揃いのアルバムです。
ぜひ一聴していただけたらと思います。
楽曲情報
・嘘と煩悩/KREVA
<収録曲>
01. 嘘と煩悩
02. 神の領域
03. 居場所
04. 想い出の向こう側 feat. AKLO
05. FRESH MODE
06. Sanzan feat. 増田有華
07. ってかもう
08. あえてそこ (攻め込む)
09. タビカサナル
10. もう逢いたくて
<Bonus Track>
11. 君に夢中